ボニーピンクの4枚目のオリジナルアルバム。Great3がトータスのジョン・マッケンタイアにプロデュースを依頼した時の話で、Great3は音響的な物を取り入れたくて、彼ら(ジョン・マッケンタイア)は逆にポップスを取り入れたかった。その思惑が一致したと語っていた。…このアルバムはそれを喚起させる。洋楽側からの日本へのアプローチのような感覚を持つアルバムに仕上がっている。初期洋楽路線の傑作にして、全体を監督しつつアレンジを専門家に委ねるというボニーピンクのスタイルが完成した名盤。
01.Sleeping child
ボサノバにロック的な8ビートを合わせた実験性とポップさを兼ね備えた楽曲。今作は穏やかな作風である事を匂わせつつ聞き込めばとても深い作品である事を象徴している。
02.Fish
ほぼ1つのコードストロークのみで回す。アレンジで聴かせるタイプの曲。非常に洋楽っぽい。
03.Trust
ギターの音色がuKロック風ではあるもののとても落ち着いていて、悪い意味でのロックのイナたさが抜けてお洒落なソフトロックに仕上がっている。2回目のサビの後大サビが現れる所がこのアルバム全体にも非常に効果的な深みを与えている。
04.Reason
カントリー調の曲をお洒落でコケティッシュなポップスに仕上げている。これが出来るのは日本ではボニーピンクくらいのものだろう。
05.過去と現実
これまでの流れと一転してマイナー調の曲。前作のように暗くなり過ぎない所に精神的な成長を感じる。歌詞にも現状を楽しむような余裕を感じさせる。今作中1番jpopを感じる曲かもしれない。
06.tears for leo
若干歪んだギターとキーボードが壊れたサイケ風の気だるさを漂わせる。こっからアルバムはロックゾーンに突入する。A面とB面を逆で聴いてら全然印象が変わるであろうな…。
07.Call my name
ファンクにT・レックスのようなノリのギターが合わさるかっこいい曲。ボニーの歌が乗れば全部お洒落なポップスになることがそのソングライティングを裏付けている。
08.Run with yourself
たまにあるボニーピンクのニール・ヤングっぽい哀愁のミドルロックナンバー。好き。サビの持ってき方が他の邦アーティストとは一線を画す。構えないでいなす感じ本当おしゃれ。
09.Shine
レディヘ風の神経質で暗い揺らめきを宿す楽曲。隠れた名曲感のあるスルメ曲。
10.Shadow
瑞々しいギターポップ。シューゲに片足突っ込んる感じ。ニール・ヤング風からシューゲ風まで本当にロックファンにはおいしい存在である。
11.rumberfish
ゆったりとしつつも大きなスケール感を漂わせる楽曲。癒しの極地。
12.You are blue,so am i
シングル曲。スマパンの1979を彷彿とさせなくもない。みんなが好きな90sオルタナ系の曲。この曲をリードに持ってくるセンスがボニーピンクを唯一無二の存在にしてる所以であるよなぁ。
13.アウトロインスト曲。