℃-ute - 超WONDERFUL!6(2011)


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2002年にオーディションで集められたハロープロジェクトキッズから選出されたグループ第二弾。それが℃-ute。初期は第一弾グループBerryz工房の余り物と揶揄され二番煎じ感が否めなかった。それがメンバーの脱退等、数々の苦境を味わいながらそれをバネに一気に飛躍を果たした。そうしてたどり着いたのが本作の本格派アイドル路線である。歌って踊れるアイドルというのは今ではハロプロの代名詞となっているが、それは本作から始まったと言っても過言ではない。

これまでのつんく♂の作り出す楽曲はどれもアイドルやjpopの枠組みに囚われるものであった。しかし℃-uteは本作でその枠を完全に破壊した。これまで他のグループでは到底成し得なかったハイレベルな楽曲。それは今までつんく♂が空想するだけで終わっていたつんく♂の純粋なアーティストの部分だった。そこに彼女らは完璧に応えてみせたのだ。これは彼女らがつんく♂の才能をネクストレベルへ引き上げた瞬間だった。

本作の楽曲はどれもハイレベルで特に冒頭四曲は素晴らしい。

だが、最高なのはやはり「Danceでバコーン!

つんく♂が作った曲の中でも5本の指に入る超名曲だ。https://youtu.be/93okmf9RJ-M

この曲を聴くまでは℃-uteも悪くないな〜くらいやったけどこの映像↑を観てマジでぶっ飛んだ。くっそカッコイイギターリフと破壊的なダンスビート(これ最早、カサビアンとかUKロック的なあれやろ)。そこに乗るjpop離れした粘り気のあるファンキーでグルーヴィなメロディがかなり衝撃的だった。そして、その強烈なノリを完璧に捉えた印象的なダンス。その全てが渾然一体となってステージを支配する。アイドルってこんなにかっこいいのか。ここまでやっていいのか!

AメロBメロだけでもうくっそカッコイイのに(多分洋楽だったらここまでだけで曲にしてる)こっからポップに弾けるサビに展開するのがヤバい。そこに込められた強烈に前向きな歌詞が涙を誘う。明るくて泣ける。これがハロプロ。聴くだけで幸せになれる麻薬。

この名曲がアルバムの中で9曲目というのが凄い。それだけこのアルバムに自信があった証拠だろう。10曲目の「3番ホーム 3両目」も地味に隠れた名曲。https://youtu.be/GBg455d9ATE

締めの「キャンパスライフ〜生まれて来てよかった〜」は※SHOCK!事件の後に発売されたシングルということで自己肯定的な歌詞もどこか空々しく響いたが、本作の締めに持ってくる事で確信に満ちた大団円に変えてしまったのは見事である。

 

Berryz工房℃-uteについてブログで纏めたが二組はキッズ時代から親交の深い良きライバルであり、小学生でデビューし人生の大半をアイドルに捧げてきた(アイドルの純粋培養と云われる)。https://youtu.be/aYqimX33oUo

…その存在はアイドル界でも特殊な位置を占め、娘の様に可愛がり彼女らの成長を見守ることが生き甲斐というファンも多かったことだろう。この2組はつんく♂の音楽生活においても大きなウェイトを占め、つんく♂を語る上でも欠かせない存在だ。その存在はいつまでも忘れられる事無くアイドル界の伝説として語り継いでいかれて欲しい。

https://youtu.be/zhKWrv4G-mo

(別々に発売されたBerryz工房℃-uteのアルバム曲を同時再生した時、一つの曲になるという仕掛けが施された楽曲) 

 

※(メンバー脱退後、五人体制で初めてのシングル「 SHOCK!」が事務所のテコ入れにより、人気メンバー鈴木愛理のソロと化していてファンの反発を呼びグループ内にも軋轢を産んだと言われる)