COCCO後期作品レビュー


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先ず、COCCOは現役だから後期とか定義できなくて先に初期作品をレビューしたから便宜上後期としてるだけということを述べておく。でも最初の4枚が初期、シンガーソンガーからエメラルドまでが中期、それ以降って感じは個人的にする。

 

エメラルド(2010)★★★☆☆

沖縄愛が爆発したという7枚目。COCCO初プロデュース作品。ヒップホップと琉球歌をかけ合わせた三村エレジーレディオヘッドにエイサーのノリをぶち込んだようなニライカナイ等は面白い。ラストの壮大なバラード絹づれも大きな聞き所。個人的にアレンジがいただけない曲が多く、曲のクオリティもバラつきがあると思う。

ベストトラック:ニライカナイ、絹づれ

パ・ド・ブレ(2014)★★☆☆☆

ミニアルバム。このアルバムは印象が薄い。曲のクオリティはまずまずでアレンジはデモ音源のような簡素な雰囲気。

ベストトラック:花明り

プランC(2014)★★★★★

8枚目のオリジナルアルバム。前作から僅か7ヶ月でリリースされた。製作期間が短いからか単純に尺が短い曲が多い。そんな中で遊び心が光るポップな作風が魅力。なんと言ってもパンダにバナナが最高。思いっきり下品なディスコ調のトラックに妙ちきりんでエロいメッセージが乗っかる事で不思議なパワーが宿った名曲。主演舞台劇中歌ドロリーナ・ジルゼも良い。考えればCOCCOに明るいバラードってなかったよな。他、異色の打ち込みナンバーbeautiful days、ストーンズ風のスティンガーz、ブロンディ風のパワーポップjulietなど名曲佳曲多数。とりあえずパンダにバナナという曲はもっと多くの人に知られるべきである。

ベストトラック:パンダにバナナ、スティンガーZ、ドロリーナ・ジルゼ

アダンバレエ(2016)★★★★★

前作と打って変わって真面目で気品に満ちた聴き応えのある一枚。個人的には序盤から中盤にかけて地味な曲が続くのがちょっとマイナス。てゆーか単純にロックじゃないというだけで曲のクオリティは高い。独特の日本文学的な静謐さを秘めた楽曲は他のアルバムでは味わえない魅力がある。中でも卯の花腐しは本当に美しいと思う。スルメ盤かもしれない。この中から一枚選ぶとしたら意外とこれ。

ベストトラック:卯の花腐し、有終の美

スターシャンク(2019)★★★★★

pil風の花欄や前衛音楽的な2.24など飛び抜けた実験性がポップスとしてちゃんと機能している所が本作の魅力か。ニュー・オーダー風の願い叶えばは名曲。久々にぶち抜けて絶望的なcome to me、落ち着いたロックを聞かせてくれる夕月、オルタナティヴなフリンジなど聞き所沢山でバランスの良い作品。

ベストトラック:願い叶えば、夕月、フリンジ

クチナシ(2021)★★★★☆

コロナ禍で制作された11枚目のオリジナルアルバム。友達のために作ったという女一代宵の口等、生活感の滲み出た楽曲が並び、身近なものをテーマに作られたアルバムという感じがする。個人的には人力ヒップホップといった趣きのトラックに風刺的なラップをぶちかますダンシャリアンがヤバい。

ベストトラック、女一代宵の口、ダンシャリアン

 

 

以下プレイリスト…

これだけの長い期間からセレクトとなると多少無理はあるが、こうして好きな曲ばかり集めると名曲目白押しという感じ。結論COCCOはずっと神。

01卯の花腐し

02.2.24

03ダンシャリアン

04ニライカナイ

05夕月

06嘘八百六十九

07BEAUTIFUL DAYS

08ho-ho-ho

09パンダにバナナ

10有終の美

11Come to me

12Juliet

13ドロリーナ・ジルゼ

14椿姫

15スティンガーZ

16影踏み

17花欄

18願い叶えば

19フリンジ

20絹づれ〜島言葉〜