インソムニア（2001） ★★★★★
1stアルバム。ミリオンセラー作品。ブックオフに必ずある。稀代の名曲"月光"収録。曲は他も良い曲ばっかりなんだけど、シングル曲がアルバムバージョンとして原曲に忠実なアレンジを施されていて全体として単調な印象。個人的にアレンジの効いたシングルバージョンの方が良い場合が多い。良かったのはBack Doorくらい。We can goやback doorに観られるゴスペル調の雰囲気は鬼束ちひろの持つ大きな魅力の一つだと思っていて、和製ジュディ・シルなんて言葉が頭をよぎる。
オススメトラック:月光、We can go、眩暈
this armor（2002）★★★★☆
2ndアルバ厶。ファーストに比べると大分アレンジが派手になった印象。仕方ない事だけど月光並の名曲が入ってないので、多少パンチに欠けるものの曲は粒ぞろい。まぁ流星群がその枠なんだろうけどサビ以外パッとしなくてちょっとなぁ…。Rollin'、everything in my hands何かのロック系の曲が目新しく魅力的。同じ様にアップテンポなシングル曲、Little beat rifleを何故弾き語りバージョンで収録したのか理解に苦しむ。
オススメトラック:everything in my hands、Arrow of pain
sugar high（2002）★★★★★
3rdアルバム。前作から凡そ9ヶ月で発売されたサードアルバム。これクッソ名盤なんだよなぁ。とにかく曲がいいしアレンジもいい感じ。アグレッシブでアヴァンギャルド、創作のエネルギーが漲っているのを感じる。鬼束史上最もかっこいい曲Tiger in my love。ゲーム主題歌でポップなCastle imitation。ゴスペル路線を極めたRebel Luck。表現者としてのピークを記録したBORDERLINE（この曲実は表拍なのエモい）。美し過ぎるスローバラードKing of Solitude等、名曲目白押し。このレベルの作品をもう1枚作れていたらはっきり言って今とは扱いが違っていたんじゃないか。
オススメトラック:全部
Las vegas （2007）★★★★☆
4thアルバム。小林武史プロデュース。鬼束ちひろ復活作。シングルはちょこちょこ出していたもののアルバムは約5年ぶり。普遍的な曲を作りたいという想いからフォーク、ロック、ジャズなどにも手を伸ばした意欲作。散漫な印象もあるが曲のクオリティは中々高い。tiger in my loveと同系統のジャズ・ロックA horse and queen、シリアスで前衛的なbad trip、童謡のように優しいrainmanはジュディ・シルみがあって良い。蝋の翼とか多分スマパン好きなんだよね鬼束ちひろって。特に活動休止期間を経て自身の内情をさらけ出したAngelinaが良い。この曲ニート経験者には刺さり過ぎる。こういう弱者としての視点は彼女の大きな武器でもある。1曲これって曲があれば名盤だったのになぁ。アルバム未収録のsignを収録したら良かったのに。惜しい1枚。
オススメトラック: A Horse and A Queen、Angelina
…以下、鬼束ちひろ初期名曲プレイリスト
月光はあまりにも有名なので入れなかった。名盤Sugar Highからは控えめにした。Signと育つ雑草はアルバム未収録。Signは鬼束ちひろ名曲ランキングベスト3に入るくらい名曲なので是非聴いてほしい。
下世話な話、殆ど同時代に活躍し、よく比較される対象であろう存在Coccoとはどっちが上なんだという話をすると（まぁCoccoの方が4年先輩なんだけど…）、初期は鬼束ちひろの方が僅差で上、後期は大差でCoccoの方が上って感じかなぁ。
単純に名曲「強く儚い者たち」「月光」で比べても一方はCoccoの作曲じゃないし…、そもそも10代から作曲をしていた鬼束とデビューしてから音楽を始めたCoccoではミュージシャンとして年季が違うのだ。才能の質から見れば2人とも天才って奴で間違いないのだろう。
ならどこで差がついたのかと言うと、それは2人の音楽性の違いが齎す影響が大きいと思う。Coccoはバンドとの相性が良かったのだ。
Coccoの場合、ステージ上でも私生活においても色んなミュージシャンに影響を受け、それを吸収してきたのだろうというのが見て取れる。これホンマにCoccoが作ったん？って思う曲多いからね。いやっ疑っている訳ではなく…それくらい幅広い音楽性を持っていて、毎度こう来たかーってリスナーとして舌を巻かされるのが彼女だ。まぁ、結局性格的な問題で…言うてCoccoってリア充やからね。鬼束はking of Solitude（孤独の王様）だから…仕方ないね。
01.angelina
02.everything in my hands
03.眩暈
04.シャイン
05.Arrow of Pain
06.Sign
07.bad trip
08.育つ雑草
09.蝋の翼
10.Rebel Luck
11.We can go
12. BACK DOOR (album version)
13.Little Beat Rifle
14.King of Solitude
