
ここ最近プリンスを頑張って聴いていた。
何を頑張る必要がある?でも実際、プリンスは当時その存在感を感じられた人でなければハードルの高いアーティストだと思う。
実際分かんねぇと10年くらい放置していた。
ということでベスト聴くだけでは物足りない、もうちょっと通ぶりたいというワガママな自分にに向けてお手軽裏ベストを作りました!
今回意識した事は2つ
ブラックミュージックに馴染みがない日本人の自分でも聴きやすいこと
名盤を連発していた80年代サイン・オブ・ザ・タイムズまでは除いて、それ以降に絞って名曲っぽいのをサルベージすること
その中でもクリスタルボール(disc1)とレインボーチルドレンとミュージコロジーはクオリティが高そう(まだ聴き込めてないが)ので除外しました
曲目
1.Graffiti Bridge(1990 Graffiti Bridgeより)
2.Billy Jack Bitch(1994 Gold Experienceより)
3.Shes Always in My Hair(1993 The Hits/The B-Sides)
4.Thieves In The Temple(1990 Graffiti Bridgeより)
5.Gett Off(1991Diamonds & Pearlsより)
6.Thunder(1991Diamonds & Pearlsより)
7.7(1992 Love Symbol Albumより)
8.Hello(1993 The Hits/The B-Sidesより)
9.Sex in the Summer(1996Emancipationより)
10.Chaos and Disorder(Chaos and Disorderより)
11.Race(1994 Comeより)
12.Girl(The Hits/The B-Sides1993)
13.Sexy MF(1992 Love Symbol Albumより)
14.Erotic City(1993 The Hits/The B-Sides)
15.Cream(1991Diamonds & Pearlsより)
16.Alphabet St.(1989 Lovesexyより)
17.Horny Toad(1993 The Hits/The B-Sides)
18.One Kiss at a Time(1996Emancipationより)
19.Gold(1994 Gold Experienceより)
楽曲レビュー
1.Graffiti Bridge
自分で企画した映画のサントラとしてリリースしたアルバム、グラフィティブリッジの表題曲。プリンスってファンク、ソウル、ロックがベースにあって、どれも高クオリティなんだけどプリンスともなるとそれだけではダメで音楽で魔法がかかったような瞬間を求めてしまうのよね。プリンスともなれば良い曲は山のようにあるんだけど、今回は本当に魔法がかかったような煌めきのある曲だけをチョイスした。話を曲に戻すと、その中でもこの曲はそのマジカルな雰囲気を意図的に狙った感じがする。実際はワンコーラスのみで押し切る幕間的な楽曲で、アルバムで聴くとこれだけかって肩透かしを喰らうんだけどオープニングに持ってくると期待感が増していいんじゃないかな。
2.Billy Jack Bitch
パンチの効いたファンクを一発。この曲はゴールド・エクスペリエンスの最後の方に入っててプリンスのシングル曲の中では存在感が薄い方だと思う。それ故にこうしてトップに持ってくると新鮮な感じがするのではないかという狙い。この時期ヒップホップを取り入れまくっていて元々多彩な音楽性がさらに猥雑を極めていたが、その中でもこの曲はシンプルな構成で分かりやすいのが魅力。
3.Shes Always in My Hair
B面集より。そもそもこのB面集が名盤なので80年代のアルバムとこれだけだけでも十分通ぶれると思う。まぁ自分はオタクなのでもうちょっと辛抱してディグるけど。この曲は全然黒くない。ベースの濁し出すグルーヴくらいのもので、楽曲自体は全然ロック。サイケ・ポップって感じ。幻惑的なシンセとサビの捻くれたメロディにビートルズを感じる。ビートルズなんか特にただのロックを超えた音楽の魔法を体現するアーティストだけど、プリンスが黒人コミューンから飛び出して世界中にアプローチできたのはロックを自分の物にしていたからで、更にはビートルズと同じように奇想天外な発想を実現することが出来たからだ。
04.Thieves In The Temple
プリンスの特異な点としてこういう完全なポップスを演じきれるエンターテイナーという側面も強調しなければならない。同じ黒人のスターで常に比較の対象とされてきたのがご存知マイケル・ジャクソンだが、この曲を聴くとどうしてもRemember the Timeを思い出してしまう。そっちが大好きなのでこの曲も勿論大好き。
5.Gett Off
プリンスがヒップホップを本格的に取り入れ出した曲らしい。最初scarlet pussyっていう最高のファンクナンバーを入れてたんだけど流れ的にあまりにスムース過ぎてこの曲に差し替えた(この曲が入れられなくて非常に残念)。個人的にヒップホップは苦手で入れたくはなかったのだが、90年代のプリンスを語る上でヒップホップを無視する事はできないと気付いた。なのでこの一曲にプリンスの90年代の猥雑さの全て託した。リフが癖になる。
6.Thunder
ダイヤモンズ&パールズの一曲目。この曲が名曲なのかと聞かれると意見の分かれる所だと思うが、曲の良し悪しより面白さが勝って入れた。岡村ちゃん然り、プリンスにはこういう笑いを求めてしまう。ハードなギターとサンダーというタイトルに惑わされがちだが、曲調はThieves In The Templeのラテンのノリを引き継いでいる。
7.7
7曲目だから7というわけではないがShes Always in My Hairと同じくサイケなロック。こちらはあからさまにインドっぽい。ビートルズもインドで修行して強くなったが、ビートルズは個人的にプリンスにとって重要な要素だと思うのでこうした楽曲は入れておきたい。なんか煙に巻かれる感じでこの辺で一回ダレるのも乙ではないか?
8.Hello
B面集の一曲目。キチガイポップファンク。ファンキーでポップで天邪鬼。プリンスというアーティストをよく表した楽曲だと思う。それにしてもこのベスト全然ファンクファンクしてない
な。でも実際プリンスってどのアルバムでもファンク曲ってこれくらいの割合でしか登場しないから再現度高いと思う。
9.Sex in the Summer
プリンスの得意分野にソウルというのがあるけどブラックミュージックに馴染みのない自分にはあまり響かない。嫌いじゃないけど好きじゃないよって感じ。そこで変わり種のソウルを一曲。唄だけソウルでエレクトロニカにヒップホップを足したみたいな曲。非常にチルアウトで気持ちいい。
10.Chaos and Disorder
プリンスの中で最もロック度の高いのがこの曲。80年代のアーティストだけど歪んだギターにスクラッチとか入って完全に90年代の音。こういうのを猿真似じゃなく独自解釈で乗りこなし出る感じがかっこいい。狂騒感を俯瞰で支配してる感じのキーボードが肝。
11.Race
アルバムComeの隠れた名曲。全てが死ぬほどファンキー。
12.Girl
ひたすらチルなエレポップ。エレクトロニカとか聴いてた世代には馴染み深い音。この辺で小休止。
13.Sexy MF
90年代のプリンスで一番破壊力があるのはこの曲。ジェイムス・ブラウンみたいなオールドファンクを更に先鋭化させたような楽曲にラップのせて決め台詞にセクスィマザーファッカァ〜て言うだけなんだけどこれが最高にかっこいい。
14.Erotic City
B面集より。カミールというオートチューンで声高くしたプリンスの別人格という設定で放つ抑制の効いたポストパンク的なファンクチューン。トーキング・ヘッズ辺りがやりそう。オートチューンで声高くして女の子になりきるって神聖かまってちゃんと発想が一緒なのよね。
15.Cream
プリンスがロックの中で一番シンパシーを感じてたのがグラムロックだと思うけど、この曲はグラムロック路線の中で一番出来がいい。シンプルながらメロディが良い。あからさまにエロな歌詞もキャラに合っている。
16.Alphabet St.
俺が最初にハマったプリンスの曲。MVが良いよね。岡村ちゃんはこの全てに憧れたのだろうな。最早ファンクも一要素に過ぎずジャンルプリンスという大きなうねりの中で極上のポップスとして吐き出される感じが堪らない。
17.Horny Toad
B面集より。プリンス流のロカビリー。プリンスらしい安っぽいシンセとロカビリーが上手く調和していて素晴らしい。正にオモチャ箱をひっくり返したような感じだ。
18.One Kiss at a Time
最後の方なのでBPM落としたソウルも入れとこう。この曲はプリンスのエロ要素を前面に出ていてただのソウルという感じがしないので飽きずに聴ける。アレンジも全て官能的に仕上げていてプリンスらしさに溢れている。
19.Gold
大団円を迎える壮大なロックナンバー。とにかくメロディが良過ぎる。ラストのギターソロでやっぱ歴史上最も過小評価されてるギタリスト1位は伊達じゃないなと思った。
締め…
我ながらすんなり聴けすぎてプリンスってこんな聴きやすくて良いのかというコレジャナイ感に苛まれた。まぁ、もっと黒いファンク聴きたければブラックアルバム聴けば良いんだよ。実は最初ブラックアルバムを弄って聴きやすく改良してやろうと考えていたのだが、どの曲もあのアルバムには馴染まない事が分かり挫折した。それくらいあのアルバムはプリンスにとって異色なんだよな。あの土臭さがブラックミュージックの肝なんだろうな。