何がジェーンに起ったか?(1962)


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ロバートアルドリッチ監督作。…すごい。エンディングが鳥肌過ぎる。これは完璧だな。

芸能一家に生まれ、早熟ながら女優として芽が出なかった妹と女優として成功を収めるも交通事故で下半身不随になった姉との姉妹の生活を描いた愛憎劇。妹による姉への陰湿なDVは徐々にエスカレートしていき狂気に身を染めていくベティ・デイヴィスイカれた演技が見所。

サスペンス映画といえば簡単だけどもっと深い内容をもつ作品。古い映画だから勧善懲悪の雰囲気を残しつつそれがエンタメとして機能してるのも良い。そうやって映画として楽しませつつ裏にある真実を観客に読み解かせるのが巧みだ。観客が思い描いた物が深読みでなくちゃんと映画の中で消化されるカタルシスが素晴らしい。名作。

 

てゆーか姉貴もデリカシー無さ過ぎるよな。自分が成功してから妹にも仕事を回すよう事務所に掛け合うとかそういう仕打ちが妹のプライドを更に傷つけたのだと思う。

まぁ根本的には子供を金稼ぎの道具に使った親が悪く、そうした問題提起も映画の目的だったんだろうなと思う。最後まで第三者に介入されること無く二人の問題が解決したのは良かったと思う。そうでなくてはならない。それがあったからこの映画は単なるサスペンス映画に終わらなかったのだ。まぁ姉は死んで妹は精神崩壊したけど…。