シン仮面ライダー(2023)

はっきり言って微妙。面白くないと言ったら言い過ぎだけど、期待を大きく下回った。先ず、ビジュアルデザインが糞。怪人もライダーもダサい。ラスボスの仮面ライダー零号もダサい。シンウルトラマンの方が全然かっこよかった。何で庵野なのにエヴァ見たいなキモカッコイイデザインに出来ないのか。仮面ライダーブラックサンがかっこよかっただけに残念。まぁ、ブラックはまだしも初代って異形の禍々しさは無いから、原作リスペクトと言われたらそれまでだけど…。まぁ、戦闘シーンはブラックサンより良かったけどね。それもクモ怪人までで後はまともに特撮やってる印象は無い。キャラも魅力なかった。シンウルトラマンのメフィラスみたいな刺さるキャラが一人もいなかった。何より、主人公のヒーロー像が微妙。コミュ障で人と喋る時、緊張で震えるとかはまぁええけど頼りにならなすぎる。大事な人目の前で3人も殺されるとか(博士、浜辺美波西野七瀬)とか迂闊すぎる。この人になら全てを任せられるというような絶対的な正義を感じなかった。人間的に薄っぺらい。闘う理由が浜辺美波守る為だけで、人類や地球に対する博愛意識や責任感って物がないのよね。自分的にそれをヒーローとは呼べない。仄かな恋心みたいなのはいらないし、増してやそれを使命と言い張るような気の弱さは尚更ダサい。一文字隼人はパッとしない。

敵のコウモリ怪人と博士の確執やクモ怪人とカメレオンカマキリ怪人の友情なんかの描写の薄さにも顕著だけどショッカーって組織の設定が全体的に薄い。シン・ゴジラやシンウルトラマンと同様政治と絡めてくれたらいいのにそれが無いからただ単にぼんやりした悪者でしかないし、社会的影響力も分からない。闘う時も気がついたら敵のアジトにワープしてるし謎の組織と闘ってるという臨場感も薄い。振り返ってみるといい所と言えば浜辺美波の可愛さ(あと森山未來の踊り)くらい。それもキャラ的に特別良かったわけじゃない。なんか庵野監督の良さを全然感じなかったなぁ。「この世に無駄な事なんてひとつも無い!」とかさぁ、マジで言ってる?

死ぬ時の泡になるのも全然カタルシスがないんだよなぁ。もっとエグくていい。ファイズの灰化の方がよっぽどエグイ(そういえば庵野監督はファイズが好きなんだっけ)。毒が無かったのは親子で見に来る事を想定した配慮だろうけど、その割に長澤まさみのクソ寒喘ぎ声で客をドン引きさせるんだから意味がわからない。