注文の多い料理店 - 宮沢賢治

初、宮澤賢治新潮文庫から出た短編集。あんま上手く読めなかった。情景描写が非常に多く、それをイメージして楽しめる人でないと厳しいかなという印象。あと方言も多くてよく分からん。半分くらい入ってこなかった。標準語もあるけど変に丁寧で、コンプレックスなのかなと思った。頭おかしいんかってくらい、逃避的でファンタジーな内容で基本的に動物や植物が喋る。害獣とされる狐が本の中では良い動物だったり、逆になんの罪もない子供が死んで地獄に行ったり、天邪鬼というか、人間の作った観念や概念が全部嫌いなのかな…てゆーか人間が嫌いなのかな?

個人的にティム・バートンと似たルサンチマンを感じる。絶えず劣等感に苛まれていて、逃避的な意味合いが創作の原点にある。そういう意味で土神ときつねなんかが宮沢賢治のパーソナリティが見えるようで興味深い。衒学的で鼻につく狐は自分自身でそれをぶっ殺したい土神も自分でそんな暴力性を内に秘めてるという感じ。鶴瓶さんとかもニコニコしてるようで時々残虐性が窺えるよね。