藤崎竜 ー ワークワーク


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藤崎竜封神演義サクラテツ対話篇を経て週間少年ジャンプで連載した作品。最初(つーか第1話)はめちゃくちゃおもろかったんだけど、明らかに週間連載のペースに着いていけず敗れ去ったという印象。

設定としては何千年後かの未来の話で、文明とともに人間が滅んで砂漠に覆われた世界で機械と人造人間が殺し合いをしている。そこに現代の女子高生でヒロインの松田(通称神さま)が召喚されて、特殊能力を使える人造人間“防人(世界に7人存在する)”同士で願いを叶えてもらう為、神さまの争奪戦が始まるって感じなんたけど…。

まずヒロインのキャラ設定が怪しい。これはめっちゃ普通の女子高生にするのが定石。異常な状況に戸惑い文句を言いつつも成長していく…そんなんでいい。しかしこのヒロインはなんかあまりにも冷静で善良な…お嬢様みたいな口調のキャラなんだよね。はっきり言って全然愛着わかない…。対して主人公の防人の少年シオも純朴な可愛い男の子でこのコンビ面白みが無さすぎる!何故ヒロインを太公望みたいなアクの強いキャラにしなかったのか!!恐らく封神演義の時、この漫画ヒロインがいないというような批判を受けて、清楚で可愛いヒロインらしいヒロインというのを目指した結果だろう…。

まぁ百歩譲ってキャラはダメでもストーリーが良ければ許せるんだけど、この漫画いきなりラスボス前のボスラッシュから始まるみたいな感じ。早々にヒロインは退場して敵の城に囚われ、7人の防人とシオの決戦が始まる…。

いやいや待て!こんなんが見たいんじゃない!普通にシオと神さまの冒険をまず見せてくれよ!こっちはまだ全然この世界に馴染みがないから、世界が滅ぼうが別にふーん…って感じなんだって!

…つぅ感じで一応防人にも各々戦う理由とかあるんだけど、本当適当にまとめて「はい次」って感じ。水使いの防人の理由とか(弟の機械化病を治すため)それが防人の思い込みで本人全然気にしてないとかフジリューらしいブラックユーモアでいいと思うんだけど、そこちゃんと書いてくれないとマジで何もないじゃん(妲己の処刑法考えてた頃のあの拘りはどこにいったんだ!)。終始こんな感じでまるで終わらすために書いてるような、全然腰据えて書いてくれてないなってのが見え透いていて設定デザイン共に魅力的な為に非常に残念。

単行本の帯コメでしんどい的な事をずっと書いてたのでこれは明らかに制作サイドのミスだよね。この作品の失敗のせいでフジリュー=原作ないとダメみたいな印象が着いたのが本当やるせない。月刊誌とかでじっくりやっていいよって空気があったらまた違ったんじゃないかと思う。

…つぅ事でこの漫画何が面白くて見るかというシオくんの可愛さというショタコン需要のみになるかな。あと個人的にはヨキ先生が男でガッカリした。