ビッグウェンズデー(1978)


f:id:godmanzanera:20211117230720j:image
サーフィン、ホットロッド、女の子と1960年代初め頃のアメリカの若者の暮らしを象徴するような青春映画。まぁ安い設定と思うかもしれないがこれが実は良くできていて、何度も観たくなるような魅力のある作品だ。

先ずロケーションが良い。地味にポイント岬の入り口のセットとか凄い良いんだよなぁ。何となくキングダムハーツ2のロクサスの街を思い出す。郷愁を誘う…と同時にちょっとファンタジックな空気がある。キャラもいい。この映画に出てくる登場人物の暮らしぶりからして惹かれるものがある。本当に自由だった時代。それが失われていく過程まで描かれてるからこの映画は凄い。その一つに戦争。徴兵で引き裂かれる仲間たち。そして死。そのどれもがありふれた絶望で満ちている。人生の美しい部分と闇を同時に描いているだからこそ、そのどちらにもリアリティを感じる。

そんな中で何気なく発される「友達はこの世で一番大事だ」という台詞は一つの真理だと思った。ありふれた台詞が初めて重く感じた。ワクサーが死んで墓でみんなで泣くシーンは本当に悲しかった。自分も死んだらこんなふうに誰かに泣いてほしいとか思ったり。

サーフィンのシーンも当時としては革新的な映像だったらしい。今観ても充分素晴らしい。ジャックが徴兵から帰ってきたシーンなんか本当に楽しそうだし、ラストシーンなんて本当にえげつない波が画面に映し出されている。それを乗りこなすサーフィンって本当自然と一体になった尊いスポーツなんやなって。ラスト15分くらいほぼサーフィンだけど飽きずに見られるのは凄いと思う。てゆーか普通に飛んできたボード頭に当たったら死にそう。

それにしてもサーファーとヒッピーが敵対してるのはガチなのだろうか…。