東京で活動するスリーピースバンド、アノダイズヘッドのファーストミニアルバム。たった6曲だけど人生の酸いも甘いを目一杯詰め込んだドキュメンタリーチックな一枚に仕上がってる。
01.My life ls fucking〜
グランジのイメージが強いバンドだが、思ったよりベース抑えめでギターロックっぽい音だなと感じた。でもこのくらいノーマルな方がライブとの違いが楽しめて良いかな。曲については、シンプルな曲ながらパンの振り方で飽きさせない工夫が成されてる。基本グランジだけどそこにパンクのノリをミックスしたような感覚が新しい。スケーターパンクとかいうジャンルがあるそうで、そういう悪ガキっぽい匂いがするけど正直ちょっと苦手なノリ…。
02.Suck my dick
曲間なく畳み掛けてくるノイズパンク。ニルヴァーナ、マッドハニー辺りが好きな人には売ってつけのバンドを代表するグランジナンバー。流石にやり慣れた曲なのかテンションが振り切れっぱなしでシャウトのキレもヤバい。ギターソロもめちゃくちゃ格好よく録れてる。爽快に駆け抜けるので以外に晴れた日に青空の下で聴くのが合う。
03.Sakaba kitaro
幸福の黄色いハンカチで幕を開け、岡田のハロプロ仕込みの重低音が引っ張るゴリゴリのロックンロールナンバー。アノダイズヘッドのマッチョイズムがこれでもかと詰まった快曲。ライブの勢いをそのまま閉じ込める事に成功してるgj。
04.lemon room
爽やかで甘いメロディのギターポップだけどリードギターがラリってる。一見爽やかな曲に毒を仕込むというスピッツ辺りが得意なパターンをよりフィジカルで再現している。リードギターの質感は高校の時から変わらないな。初めて聞いた時はマニュエルゲッチング↓みたいだなーと思ったんだよ。https://youtu.be/NhLXhwrrF8w
05.Gump
この曲は俺のお気に入り。Black or whiteみたいなリフが印象的(確かあれはアクセル・ローズが作ったんだよね)。aメロからコードとメロディとベースが全部バラバラでスリリング。そっからリフに戻ってくるのがもう楽しい。Bメロのアルペジオからサビにかけて抑制が効いてい て、緩急の効いたドラムアレンジも面白い。ニイさんの不器用なメロディもここでは切なく響く。仕上げのベースソロも素晴らしい。
06.rascal
イントロに浜辺のSEが入ってる所に田舎者の無防備な素顔が垣間見える。オルタナ風jpopといった感じの曲。こういうタイプの曲は好きなのだが歌詞がやや散漫な印象。もうちょっとストレートな表現をした方が分かりやすかったと思う。ギャルゲーのキャラをイメージして作った曲らしいけど、ラブソングなら素直に好きと言ったらいいし、それが出来た時ソングライターとして一皮剥けると思う。
発売おめでとう。身内の作品だけどパッケージされてこうして手に取る事ができる、それ自体に結構感動がある。歌詞カード読んで改めて色々発見があったり、フィジカルならではの喜びがあるなぁと思った。あとジャケが良いね。自由にやらせると悪ノリに走る傾向がある人達だけど、外の人間が関わることによって引き締まったと思う。欲を言えばフルアルバムが欲しかった。個人的には知ってる曲ばっかりで面白味に欠けたというのが正直なところ。空中殺法が聴きたかった。あと古い曲も良いやつ多いので復活させて欲しい(スクリューユーは隠れた名曲)。