つんくプロデュースアイドルグループBerryz工房のセカンドアルバム。
最近モーニング娘。にハマっていた。段々とメンバーからつんくの曲の方に興味が移行し、そっから辿り着いたのがBerryz工房。2004年結成のアイドルグループ。2004年というとモーニング娘。の方は2000年頃の最盛期から下降線をたどっていて、話題性には事欠いたもののクオリティはまだまだ高く、寧ろ音楽性において唯一無二の個性が出現し始めた頃だ。
…つんくという作家は変化を好み、自分の中のアイデアを刺激してくれるキャラクターを常に求めており、それを作品として結晶化させることに喜びを見出す人間だ。
例えば、吉澤ひとみのボーイッシュな印象から、宝塚風の愛のビッグバンド（2001年作）を作ったり、紺野あさ美の可愛らしさを前面に押し出した涙が止まらない放課後（2004年作）などがある。
名曲ハッピサマーウェディング（2000年作）では中澤裕子の卒業に合わせ、愛娘が嫁ぐ様子を描き、全ての男に眠る父性（娘に対する所有欲）を刺激しNTR的な感情を擬似的に味合わせる事に成功した。自分も当時小学生ながらどこか観てはいけないものを見た様なむず痒い気分になり恥ずかしいと同時に強く印象に残ったものだ（衣装もエロかった!!）。そうした卑劣な手段で人の心を揺さぶるのが非常に巧みで、悪徳的とさえ言える魅力がつんくの持つ最大の個性なのだ。
そこでBerryz工房のキャラクターとは何かというとそこはもう分かりやすくその“若さ”であろう。結成当時平均年齢10.7歳という圧倒的若さ（というか幼さ）。その若さを利用し年端もいかない少女に成熟した大人の恋を歌わせることによって、世の男性達はまるで自分の娘がまだまだ子供だと思っていたら、とっくに大人の女性として成長していたという驚きと哀しみを疑似体験し現実を超えた圧倒的リアリティを味わう嵌めになるだ。その部分がファーストアルバムではまだ甘かったが、このセカンドでは完璧にそこが炙り出された名盤となっている。タイトルも第②成長記ですよ。第２次成長とかけていてなんかムラムラくるものがあるでしょう。
このアルバムで取り上げるべき楽曲は先ずこれ
スッペシャルジェネレ〜ションhttps://youtu.be/-6rpTVsY9GU
Berryz工房の代表曲でハロプロ史上最高とも言える名曲だ。そんでPVの夏焼雅がめちゃくちゃ可愛い。生意気でませた雰囲気が最高。歌手としては自分は菅谷梨沙子のファンだ。あの吐き捨てるような歌い方がカッコイイ。クセになって何回も聴いてしまう。てゆーか梨沙子ちゃんも可愛い過ぎるクォーターはズルいですよ！
続いて、恋の呪縛
Berryz工房五本の指に入る名曲。これは上で述べた“少女が歌う大人の恋愛“という個性が最も顕著に現れる曲で、冒頭の歌詞｢告白なんてしないでよ
付き合い方も知らないくせに｣という部分から完璧に鼻っ柱をいかれた感じ。この時点で世の男はこの曲を正座して痛切な面持ちで聴くことになるだろう。そして、この曲はなんと言ってもサビのメロディが美しい。教室に夕陽が差すという情景描写も美しく非常にエモい1曲。
お昼の休憩時間
つんくの歌詞がすごいなぁ。散々言われてる事だけど、よくこんなティーンの日常風景を描けるな。こんな歌が今まであっただろうか。彼女らがただJS,JCであったというだけでつんくの創作意欲を刺激したのだ。この辺の観察力（妄想力）もつんくの異常な能力。
さぼり
さぼりも同系統の楽曲。たこ焼き屋のくだりがすごいな。塾サボるっていうとこで自主性が身についてる事に先ずドキッとする。そこからのたこ焼き屋で漫画読むデートっていう子供っぽさの落差が可愛い。
これはちょっと角度を変えて、未成年のアイドルという特性を利用した典型的アイドルソング。こういう曲ははつんくより寧ろ秋元康的だと思う。
そこから少女の日記の内容の歌という妄想爆発の曲にいく落差が良い。カントリー風のアレンジもいい。
最後にこのアルバムには入ってないが、アルバム発売後、直ぐにでたプリキュアの映画（雪空のともだち“名作”!!）主題歌になったこの曲も名曲だからチェックしておきたい。この曲はももちが大活躍だ。ももちのどこか作ったような態とらしい感じがアニメという虚構の産物と非常にマッチしている。サビのソロが元気をくれると同時にどこか達観したような侘しさを覚える。何故か涙腺が緩む不思議な味わいのある曲だ。流石嗣永プロと呼ばれるだけはある。
